
ダーウィンという人間、そしてその人生
ダーウィンの思想、というタイトルだし、著者は哲学者なのだが、内容は意外とダーウィンという人間、そしてその人生に関わるものが多いような気がした。
個人的には、タイトルと著者を見ててっきり「進化論の哲学をコンパクトにまとめた本か」と思ったので正直意外であった。
思想についても、ダーウィンやその同時代の人物が考えた順番で紹介されていくので、進化論自体を知りたい人よりも、思想遍歴やダーウィンの思想的葛藤などを読んで楽しみたい人が本書を読むべきだと思った。
ダーウィンの思想の切り出し方も、進化論というよりも、最初と最後で「道徳」の話を出し、人間と動物、道徳というものを(進化的に)いかに位置づけるか、という問題を中心に据えている。
どちらかといえば社会進化論なので、正当な進化論をイメージしているとやや肩透かしをくらわされる。
もちろん、ダーウィンのころから社会進化論への視座があったのか、ということを知りたい人にはおススメである。
進化論の思想そのものを知りたい人は、エリオット・ソーバー進化論の射程―生物学の哲学入門 (現代哲学への招待Great Works)を読むほうがいいだろう。